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再資源化事業高度化法とは?最新動向と排出事業者が取るべき対応

再資源化事業高度化法とは?最新動向と排出事業者が取るべき対応

廃棄物に含まれる資源の再利用を促進するための新たな枠組みとして、「再資源化事業高度化法」が2024年5月に参議院本会議で可決されました。これは、従来の廃棄物処理法の特例として、国がリサイクル事業者を一括認定する制度を創設し、全国規模での再資源化事業の効率化と高度化を図るものです。
本記事では、2025年10月現在の最新動向を踏まえ、制度の概要と排出事業者が今後取るべき対応についてわかりやすく解説します。

再資源化事業高度化法の背景と目的

この法律の目的は、以下の3点に集約されます。

  • 廃棄物に含まれる有用資源の再利用促進
  • リサイクル事業の全国展開と効率化
  • 資源の安定供給と温室効果ガス排出量の削減

従来は自治体ごとに許認可が必要だったリサイクル事業ですが、本法により国が認定することで、事業者は複数地域での展開が容易になります。

認定制度の3つの類型とポイント

認定制度は、以下の3つの類型に分類され、それぞれに高度化の要件が定められています。

類型①:事業形態の高度化

製造業などが求める質・量の再生材を確保するため、広域分別回収を促進。

類型②:分離・回収技術の高度化

高度な技術を用いた分離・回収施設の設置を推進。

類型③:再資源化工程の高度化

温室効果ガス排出削減のため、高効率なリサイクル設備の導入を支援。

これらの認定を受けることで、事業者は廃棄物処理法の一部手続きが簡素化され、税制優遇(特別償却など)も受けられる可能性があります。

2025年の施行スケジュールと最新動向

2024年5月:法案可決・公布
正式名称「再資源化事業等の高度化の促進に関する法律」として公布。
2025年2月:一部施行
基本方針・認定基準・政令・省令が施行され、制度の枠組みが整備。
2025年11月(予定):全面施行
認定制度の本格運用開始。申請受付、報告制度、情報公表制度などが順次開始予定。
対象品目の例
太陽光パネル、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池など、資源価値が高く環境負荷の大きい廃棄物が優先対象とされています。

排出事業者が検討すべき対応

この制度はリサイクル事業者向けのものですが、排出事業者にも大きな影響があります。以下の対応が求められます。

① リサイクル事業者の選定と連携強化

認定事業者との連携により、環境負荷の低減と資源循環への貢献が可能になります。

② 廃棄物管理プロセスの見直し

社内の廃棄物管理体制を再構築し、情報精度を高めることで、認定事業者との連携がスムーズになります。

③ 全社的なリサイクル意識の向上

再資源化は企業の持続可能性に直結する取り組みです。社員教育や社内キャンペーンなどを通じて、意識の醸成が重要です。

今後の展望と制度の活用可能性

再資源化事業高度化法は、単なる廃棄物処理の枠を超え、資源循環型社会の構築に向けた重要なステップです。認定制度の活用により、事業者は以下のようなメリットを享受できます。

  • 廃棄物処理法の許可手続きの簡素化
  • 固定資産税・法人税の特別償却(2030年まで)
  • 全国展開のしやすさ
  • 環境報告書やESG評価への好影響

排出事業者としても、認定事業者との連携を通じて、環境貢献と企業価値の向上を両立することが可能です。

(出展)資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律(再資源化事業等高度化法)

加筆修正:2025年10月