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混合廃棄物の定義は?分類方法と処理時の注意点を解説!

混合廃棄物の定義は?分類方法と処理時の注意点を解説!

産業廃棄物は原則として、種類毎に分けて処分を委託することが求められています。現在、産業廃棄物は廃棄物処理法にて20種類に区別されていますが、実際にはこのうち1種類だけでなく、複数種類の廃棄物が混ざった混合廃棄物として処理を行うケースも考えられます。

その混合廃棄物は排出・廃棄をする際、構成する廃棄物に応じて3つに大別されるということを知っていたでしょうか。混合廃棄物を処分する際には、構成内容に応じて正確に分類をした上で、正しい手順・規則を順守して施すことが義務付けられています。

もし、規則違反を犯した場合には、依頼主側も処罰の対象に該当しうるため、注意が必要です。

今回は、「処理を委託する産業廃棄物がどの混合廃棄物に該当するのかわからない」、「業者と契約する際の注意点を知りたい」という悩みを持つ方向けに、混合廃棄物の定義から、分類方法、処理を委託する際の注意事項について具体例を交えながら解説します。

混合廃棄物の処理に関するポイントを明確に抑え、できるだけやり直しの発生しないスムーズな委託・処理を行いましょう。

混合廃棄物とは

混合廃棄物の定義はどのようになっているのでしょうか?混合廃棄物は、廃棄物処理法などの法律によっては明確に定義をされているものではありません。しかしながら、一般には文字通りに「複数種類の産業廃棄物が混合した廃棄物」として認識されることが多いです。

産業廃棄物は原則として種類毎に分別した上で処理を委託することが求められますが、分解や分離が困難なものを排出する際には、混合廃棄物という区分を用いて処理を施す場合があります。

例として、蛍光灯を排出するケースを挙げてみます。蛍光灯は「ガラスくず」「金属くず」「廃プラスチック類」といった複数種類の廃棄物から構成されている混合廃棄物です。

蛍光灯を全ての種類ごとに分解するのは手間や技術を要すると考えられることから、そのままの状態で処理を委託することが一般的です。

また、混合廃棄物として排出する際は、蛍光灯を構成する全廃棄物の処理に対応した業者を選定し、依頼する義務が生じるという点に注意が必要です。不適切な処理をすると処罰の対象とされてしまうため、廃棄物の構成内容や業者の処理能力といった各々の情報を明確に整理しておくように心がけましょう。

混合廃棄物の分類

複数種類の廃棄物が混ざった廃棄物を混合廃棄物と呼称することは理解できたでしょうか。混合廃棄物は排出・廃棄の際、3つの分類に大別されることが一般的です。各種分類方法について解説しますので、ポイントを押さえておきましょう。

1建設混合廃棄物

建設現場で発生する混合廃棄物は建設混合廃棄物と呼ばれます。

その建設混合廃棄物のうち、後に紹介する安定型産業廃棄物(「廃プラスチック類」「ゴムくず」「金属くず」「ガラスくず」「コンクリートくず及び陶磁器くず」「がれき類」)をのみで構成されるものを特に安定型建設混合廃棄物と呼びます。また、安定型産業廃棄物以外を含むものを特に管理型建設混合廃棄物と呼びます。

2安定型混合廃棄物

環境保護の観点において悪影響を及ぼす可能性が低く、安定型最終処分場で埋立てにより処分をすることが可能な廃棄物が安定型産業廃棄物です。

また、安定型廃棄物は「廃プラスチック類」「ゴムくず」「金属くず」「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」「がれき類」の5種類(安定型5品目)を指し、これらのみで構成された混合廃棄物は安定型混合廃棄物と呼称されます。

3管理型混合廃棄物

廃棄物の中には、単に埋め立てると腐敗や分解などの性質変化を伴い、溶出した成分が地下水などの環境を汚す恐れがあるため、より環境への配慮が施された管理型最終処分場での埋め立て処分を必要とするものがあります。

こうした廃棄物を管理型産業廃棄物といい、これを含む混合廃棄物が管理型混合廃棄物と呼ばれます。

上述した安定型混合廃棄物との大きな違いとしては、埋め立て時に腐敗や分解など性質変化を伴うか否かという点が挙げられるでしょう。また、混合廃棄物の中にごくわずかでも管理型産業廃棄物を含む場合は、管理型混合廃棄物に該当するため注意しましょう。

混合廃棄物の処理を依頼する際の注意点とは

混合廃棄物の概要、分類方法について理解することができたでしょうか。原則として、混合廃棄物は単品の廃棄物とは取り分けて処理を委託する必要があります。

また、混合廃棄物として業者に処分依頼をする際には、単品での産業廃棄物処理とは別にチェックすべき注意点というものが下記に示す通りに挙げられるため、後々のトラブルを避けるためにもポイントをしっかりと押さえておいてください。

廃棄物処理業許可は混合する全てについて必要

混合廃棄物の処理を業者に委託する際は、委託先の業者が混合廃棄物を構成している全ての廃棄物の処理許可を持っているか確認するようにしましょう。

原則として、業者は処分許可を保有している種類の産業廃棄物しか受け入れることはできません。

そのため、例として、「廃プラスチック類」「金属くず」「ガラスくず」から構成される混合廃棄物の処理委託をした業者が「ガラスくず」の処分許可を保有していないケースでは、仮に持ち込んでも受け入れ不可とされてしまうでしょう。

費用や時間のロスを防ぐためにも、業者としっかりと認識のすり合わせを行っておくのがおすすめです。不安であれば、業者へ事前に現物確認の相談をして、全ての廃棄物を明確にした上で契約書を締結しましょう。

マニフェストには混合する全ての廃棄物を記載する

原則として、廃棄物処理業者は廃棄物を引き渡す際、廃棄物管理票(マニフェスト)を発行する義務があります。そのため、マニフェストの発行について依頼前に確認をしてください。

マニフェストについては、排出する混合廃棄物として適切な廃棄物種類を選択し、一般的に理解可能な廃棄物名を記載することが想定されるため、あらかじめ流れをイメージしておきましょう。

マニフェストの内容に不備があると処罰の対象とされる可能性もあるため、不安であれば、行政や取引業者に相談・協力を依頼してください。

混合廃棄物の分類を明確にした上で、ルールを守り、環境・社会に配慮しよう!

今回は混合廃棄物の概要から、分類方法、処理を依頼する際の注意点について解説してきました。混合廃棄物は通常の産業廃棄物とは取扱い方、処理手順が異なります。

不適切な手順で処理を委託すると処罰対象に該当しうるため、正しい知識を持ち合わせ、規則に従って処理を施すことが重要です。

また、現代では、排出される廃棄物は複数種類の廃棄物から構成されるケースが多いことから、一度混合廃棄物に関する正しい知識を身に付けておけば、後々にまで活かせるノウハウを得られると考えることもできるのではないでしょうか。

混合廃棄物を処理するなら、正確な分類をした上で、ルールを守った手順を踏むことを心がけ、環境にも社会にも最適な行動を選択するようにしてみましょう。

その際に、不明瞭な点が生じるようであれば、積極的に行政や各業者に問い合わせてみてください。