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環境マネジメントシステム(EMS)とは?代表されるISO14001など、その種類を解説

環境マネジメントシステム(EMS)とは?代表されるISO14001など、その種類を解説

環境問題への取り組みが求められている今、廃棄物排出事業者のあいだで環境マネジメントシステムが注目されてきています。

企業にとって環境問題への対応や環境保全に取り組むことはブランドイメージの向上だけでなく、長期的なコストダウンなどさまざまなメリットがあるでしょう。

今回の記事では、環境マネジメントシステムの概要と仕組みを解説します。また、具体的な認証規格と企業の事例を紹介していますので、排出事業者として認証取得を考えている方は参考にしてみてください。

環境マネジメントシステム(EMS)とは?

近年注目されている経営手法に、「環境経営」があります。環境経営とは、環境対応・環境保全を企業としての責務と考え、かつ企業活動と結びつけて経済的価値を生み出し、企業的価値の向上を目指す経営を意味します。

環境経営を目指す排出事業者は、環境に関連した法令を遵守する受け身の対応だけではなく、自社のサービスの製造工程やサービスそのものを通して環境問題に積極的に取り組む姿勢が求められるでしょう。

本記事で解説する「環境マネジメントシステム」は、環境経営を取り入れるための仕組みです。環境マネジメントシステムには、環境問題に対する取り組みの方針作りや事業計画作成、実行から改善のためのアクションなどが含まれます。

参考までに、環境マネジメントシステムは、Environmental Management Systemの頭文字を取り「EMS」と呼ばれることもあります。

環境マネジメントシステムの仕組み

環境マネジメントシステムは、PDCAサイクルを重要視しています。PDCAサイクルの構成は、Plan(計画)、Do(実施)、Check(評価)、Act(改善)の4つのステップです。PDCAサイクルを繰り返すことで、環境問題に対する企業活動を継続的に改善しながら推進していけるでしょう。

「廃棄物を減らす」や「リサイクル製品を活用する」といった活動だけでは、「環境マネジメントの仕組み」とはいえません。

例えば「環境に悪影響を与える資源の使用量を5%減らす」という目標を立てたとして、まず行うのは「代替資源の活用計画」の立案です。計画に沿って部署単位や会社全体で取り組み、活用した結果前年比でどの程度減ったか、また既存製品への影響度などを検証します。

もし減っていなかった場合は、なぜ減らなかったのか検証が必要であり、または減っていた場合でもなぜ減ったのか理由を明確にしなければいけません。減った理由や、既存製品への影響を次の計画にフィードバックし、新しく計画を立て直して改善を繰り返していきます。

PDCAサイクルを回して、環境対応・環境保全を経営に取り入れる活動をマネジメントしていく一連の流れこそが、「環境マネジメントシステムの仕組み」です。

「廃棄物を減らす」「リサイクル製品を活用する」などの施策は、あくまで環境マネジメントの一部でしかないことに注意しましょう。

環境マネジメントシステムの具体例

環境マネジメントシステムにはさまざまな規格があります。国際的な規格や日本独自の規格、また民間の規格や中小企業向けの規格などがあります。

排出事業者は自社の規模や事業内容に合わせて取り入れる規格を選定するとよいでしょう。本記事では代表的な4つの規格を紹介します。

①国際規格 ISO14001

環境マネジメントシステムの国際的な規格がISO14001です。排出事業者が認証をとる場合、環境方針と目標を定め、PDCAサイクルを通した継続的な改善活動が求められるでしょう。

多くの排出事業者が、ISO14001の認証を取得するのにコンサルタントが必要となります。さらに、第三者の審査登録機関による認証も必要なため、コンサルタントと認証に費用がかかることがデメリットとして挙げられるでしょう。

ISO14001の認証をとることで企業ブランドイメージの向上につながり、またエネルギーコスト削減にもつながるため、長期的にみれば利益率の改善につながる可能性もあります。

大企業は環境保全の活動において、サプライチェーン全体での取り組みが求められています。そのため、ISO14001の認証をとることで大企業から信頼のある取引先と認められ、新たな販路拡大の道も開ける可能性もあるでしょう。

②エコアクション21

日本の環境省が国際規格のISO14001を参考とし策定した、企業の持続的な環境経営を支援するための指針がエコアクション21です。

エコアクション21はISO14001同様に、PDCAサイクルを基本としたマネジメントシステムですが、ISO14001と比較して中小企業でも取り組みやすい規格となっています。

費用面もISO14001とは異なります。一例として、従業員100人の企業におけるエコアクション21の初回認証費用は30万円程度です。一方で、ISO14001は100万円以上の費用がかかります。

ただし、エコアクション21はISO14001と比較すると世界的な知名度が低く、認証をとるメリットがあまり感じられないことが課題となっています。

③エコステージ

ISO14001の考え方を踏襲し、環境方針と経営戦略のリンクを目指す環境マネジメントシステムの規格がエコステージです。5段階のレベル分けで認証基準が設定されているため、自社のレベルに合わせた認証を取得できます。

また、認証機関がコンサルティングを兼務してくれることも特徴の一つです。既存の経営を活かしながら導入できるため中小企業でも取り入れやすい規格です。

④KES・環境マネジメントシステム・スタンダード

「京都議定書」発祥の京都から発信され、かつ民間が審査登録機関となっている環境マネジメントシステムの規格がKESです。ISO14001が基盤となっているため、PDCAサイクルを回すのが基本の考え方となっています。

KESは「シンプル」と「低コスト」をコンセプトとしているため、ISO14001の本質的な部分にのみフォーカスし、用語・規格内容は極力シンプルになっています。

KESは、審査員が認証をとる排出事業者に対して「付加価値」が生まれるように、一緒に検討してくれることが特徴の一つです。また、民間が認証機関であるため制約が少なく、地域の特性を活かした取り組みを提案してくれます。

KESの認証をとることで、排出事業者と地域とが連携し、新たな活動へつなげていくことが可能となるでしょう。

環境マネジメントシステムの活用事例

ISO14001やエコアクション21などの認証を取得し、企業活動に反映している企業が多くあります。本記事では二つの会社における事例を紹介します。

富士通の取り組み

富士通はグループ全体で環境経営を取り入れる活動を推進しており、グループ全体で62社のISO14001の認証会社を有しています。

2020年には、持続可能な企業を目指すために「サステナビリティ経営委員会」が設置されました。サステナビリティ経営委員会が担うのは、環境に関する活動状況や目標達成状況を定期的に共有し、新規活動の判断を行うことです。

グループ全体で、独自の環境マネジメントツールを積極的に活用し、環境経営のデータベース化や環境運用支援システムの構築などを行っています。

アスクル

アスクルは2004年にISO14001の認証を取得し、以降環境マネジメントシステム推進体制の構築やシステムに基づいた企業活動を推進しています。「アスクル環境方針」を制定し、「5つの約束」と「アスクル環境中長期目標」を掲げました。

また、社員に対する環境教育も実施されており、企業全体で環境問題に取り組む意識の向上に努めています。

まとめ

今回の記事では環境マネジメントシステムについての解説と代表的な認証規格、さらに企業の取り組み事例を解説しました。

環境マネジメントシステムとは、環境経営を取り入れるための仕組みを指します。環境マネジメントシステムが重要視しているのは、PDCAサイクルを回すことです。PDCAサイクルを回すことで、環境対応・環境保全に関する活動を改善しながら推進できるでしょう。

認証規格は、国際的な規格や国内独自規格、また民間が認証する規格であったりとさまざまです。そのため、認証規格は自社の規模や事業内容に合わせて選定する必要があるでしょう。

例えばISO14001の認証は知名度が高いため企業イメージの向上にはつながりますが、認定に費用がかかるデメリットがあります。

近年、認証を取得している企業が増加しています。認証を取得することで、企業ブランドイメージの向上や取引先として選定される機会の増加などのメリットを享受できるでしょう。