拠点ごとの管理から、全体最適へ─―部分導入から始めた廃棄物管理の再設計
Umios株式会社 宮下様 岩上様
多拠点・複数事業を展開する企業にとって、廃棄物管理は「対応はできているが、最適化までは踏み込めていない」という状態に陥りがちな領域です。
今回お話を伺ったのは、グループ全体での管理高度化を目指し、CBA wellfestの導入を進めているサステナビリティ戦略部の宮下様・岩上様。導入の背景から現場との向き合い方、そして今後の構想までを伺いました。

管理はできているが、本部として把握しきれない
導入前も、廃棄物管理が大きく破綻していたわけではありませんでした。各拠点で必要なデータは収集され、法令対応も一定水準で行われていました。
一方で、本部としては全体像を横断的に捉えきれない状況が続いていました。拠点ごとに情報は存在しているものの、年度での廃棄物発生量の比較や拠点毎の廃棄物発生量の傾向を把握するために、うまく活用できておらず、結果として廃棄物データを経営や改善に活かしきれていませんでした。
また、廃棄物処理終了の期限管理などの運用も仕組みとして完全に担保されているとは言い切れず、現場ごとの対応に委ねられる部分が残っていました。
大きな問題が表面化しているわけではないものの、このままでは環境負荷の低減やサーキュラーエコノミーへの高度化に踏み出せない――そうした認識が、見直しのきっかけとなりました。
企業として向き合う、法令遵守へのスタンス
当社が一貫して重視しているのは、廃棄物管理における法令遵守を「前提条件」として確実に担保することです。
特に、不適正処理につながるリスクについては最も強く意識しています。無許可業者との取引や過去に問題のある業者の利用、反社会的勢力との関係といった領域は、万が一でも発生すれば重大な影響を及ぼすため、厳格に排除すべきものと捉えています。
そのうえで、マニフェスト、契約書、許可証といった基本情報の管理や、自治体ごとのルールへの対応までを含め、日常業務として無理なく継続できる形での遵守体制を重視してきました。
こうした考え方のもと、仕組みだけに依存するのではなく、契約書の内容確認など一部は専門的なチェックを取り入れながら運用することも含めて、実務として確実に守れる状態を作ることを重要な判断軸としていました。
現場の理解を起点に、小さく始めて広げる
今回の取り組みは、当初からグループ全体への展開を見据えたものでした。ただし、進め方としては一斉展開ではなく、段階的な導入を選択しています。
システムの切り替えは、現場にとって負担になり得るため、まずは導入拠点を限定し、運用の中で得られた手応えや変化をもとに、少しずつ広げていく進め方を取りました。
特に意識したのは、「使う側にとってどう変わるか」を具体的に伝えることでした。操作性の向上や日々の負担軽減といった点を、自身の実務経験を踏まえて説明することで、単なる仕組みの変更ではなく、自分たちの業務を改善する取り組みとして受け止めてもらえるよう働きかけていきました。
この進め方によって、当初は導入していなかったグループ会社にも徐々に広がり、結果として数か月のうちに、グループ内の複数会社にまたがる約140拠点規模へと展開が進み、導入のハードルを下げながら全体最適に近づけている段階です。

実務に踏み込む支援が、定着を後押しした
導入を進めるうえで、大きな支えとなったのがカスタマーサクセスの関わりでした。
単にシステムの使い方を説明するだけでなく、業務内容や拠点特性を踏まえたうえで、契約書や運用に関する相談にも対応してくれました。現場から上がってくる個別の確認事項についても、柔軟にサポートを受けられる体制が整っていたと感じます。
これまで本部側で対応していた確認業務の一部を任せられるようになり、日常業務の負担が軽減された点も大きな変化でした。
「システムだけではなく、実務も含めて伴走してもらえている」という安心感が、運用の定着につながっています。
可視化を起点に、導入拡大と次のステップへ
導入を進める中で、拠点ごとの状況を同じ基準で把握できるようになりつつあり、全体を横断して見られる状態が整い始めています。こうした可視化によって、拠点ごとの違いや傾向について議論できる土台ができてきました。
まずはこの「見える状態」を各拠点に実感してもらうことで、今後もさらなる未導入拠点への展開や電子化の拡大につなげていきたいと考えています。
データが蓄積されていくことで、リサイクルの在り方や処理方法の見直しなどより実務的な改善にも踏み込んでいけると考えており、排出から処理・リサイクルまでの流れを捉えながら、資源循環の取り組み全体に活かしていくことを目指しています。
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