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電子マニフェストの登録ができない!緊急時の対策方法を紹介

電子マニフェストの登録ができない!緊急時の対策方法を紹介

電子マニフェストサービスの不具合は起こりうる?

産業廃棄物のマニフェスト管理は、これまで紙が主流でしたが、現在は電子化が進んでいます。
電子化によって利便性が大きく向上している一方で、ネットワークを介する以上、まれにシステム障害や通信環境の影響を受ける可能性がある点は理解しておく必要があります。

JWNETにおける障害の事例

実際に、2021年5月にはJWNET(日本産業廃棄物処理振興センターが運営)で障害が発生し、ログインや画面表示ができない状況が一時的に生じました。5月8日からサービス提供が停止され、約2日後の10日早朝に運用が再開されました。
このように、一度障害が発生すると復旧までに数日かかる場合もありますが、頻度は高くなく、通常は安定的に運用されています。

出典:JWNET

マニフェストなしで処理はできない

1998年以降、すべての産業廃棄物についてマニフェストの交付が法律で義務付けられており、これを怠ると1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
そのため、JWNETが使えない状況でも「マニフェストなしで処理を進めることはできない」という原則を踏まえ、対応策を準備しておくことが重要です。

出典:JWNET

障害時に備えた3つの対策

では、何かしらの要因によりJWNETに不具合が生じて電子マニフェストが使用できない場合、排出事業者はどのように対応すべきでしょうか。ここでは3つのポイントを紹介します。

1.受渡確認票の事前準備

産業廃棄物の収集運搬事業者が運搬時の携行を義務付けられているものの一つに、受渡確認票があります。
運搬を担当する運転手がスマートフォンやタブレットなどで即時に情報を提示できる場合、書類形式で携行する必要はありませんが、デバイスの故障や通信圏外などのリスクに備え、印刷されたものも所持しておくと安心でしょう。
受渡確認票はJWNETから印刷でき、排出事業者が産業廃棄物の引き渡し日の前に予約登録していれば、あらかじめ受渡確認票を印刷しておくことも可能です。
しかし、もしJWNETに不具合が起こった場合、印刷ができなくなって現場が混乱することも考えられます。
こうしたケースの対処法として有効なのが、法律によって規定された記載必須項目を入力するためのフォーマットを、排出事業者が別途Excelファイル等の形式で事前に用意しておくことです。
このフォーマットには、運搬する産業廃棄物の種類及び数量、運搬する産業廃棄物を積載した日ならびに積載した事業場の名称、所在地及び連絡先、そして運搬先の事業場の名称、所在地及び連絡先を適宜入力します。
フォーマットを用意していない排出事業者は、JWNETにおいてExcelで用意されている受渡確認票のサンプルをダウンロードし、必要事項を入力することでも代用可能です。

2.過去の書式を活用

受渡確認票は、必要な項目が記入されている限りにおいて様式は問われず、過去のものをコピーし記載内容を変更して使用することもできます。
コピーを用いると、場合によってはマニフェスト番号や引き渡し日など一部分を修正すれば済むため、必要な書類を簡単に作成できるでしょう。

3.復旧後の速やかな登録

排出事業者が産業廃棄物の処理を委託する際同時に発行しなければならない紙マニフェストとは異なり、JWNETにおける電子マニフェストの交付は3日の猶予期間が認められています。

一方で、先に述べた2021年5月の不具合時には、障害発生時点以降にシステムを利用し登録または報告を予定していた利用者が、復旧後速やかに情報処理センターへの登録または報告を行ったケースについては法律違反を問わないよう、環境省から都道府県等へ通達する措置がとられました。
障害発生時にはJWNETや環境省の情報を確認し、復旧後に即座に処理できる体制を整えておくと安心です。

一時的な紙マニフェスト利用も

ネットワーク障害や停電などで電子マニフェストを発行できない場合、紙マニフェストを交付することも可能です。ただし、紙マニフェストには5年間の保存義務や報告義務があり、通常業務に比べて手間が増えます。
そのため、まずは受渡確認票などの補完手段で現場を回し、システム復旧後に電子で登録することが推奨されます。

まとめ

電子マニフェストは官民一体で普及が進められ、導入事業者数は年々増加しています。利便性や精度向上の面で紙を大きく上回る仕組みですが、万一の障害に備えた簡易な対策を持っておけば、安心して運用できるといえます。
また、運用方法や緊急時の対応については、事業所内で複数人が共有しておくことで、トラブル時の混乱を最小限に抑えられるでしょう。

紙マニフェストと電子マニフェストの違いについてのコラムはこちら